UMBILICAL HERNIA

臍ヘルニア

Umbilical Hernia

臍ヘルニア

成人の臍ヘルニアは比較的まれですが、嵌頓(膨らみが戻らなくなり強い痛みが生じる状態)のリスクが高く自然に治ることはないため、基本的には全例手術適応となります。
当院では患者様が安心して手術を受けられるように、豊富な経験から、患者様の症状や病気の状態にあった最適な治療法について詳しく説明させていただきます。

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目次

臍ヘルニアについて

臍ヘルニアとは?

臍は臍の緒(臍帯)が閉じた跡で、筋組織がなく元々弱いところです。そこに肥満、妊娠、腹水(おなかに水がたまる病気)、長期間にわたる咳症状などの持続的な腹圧上昇に伴って発生すると言われています。また、筋膜の代謝異常(コラーゲン、エラスチンなど)との関連性が示唆されています。本邦における成人臍ヘルニアの手術件数は、やや女性に多いとされています。

臍ヘルニアの症状

おへその出っ張りや痛みで受診することが多いです。通常痛みは強くありませんが、嵌頓といわれる状態になると激痛のため緊急手術になる事があります。

臍ヘルニアのCT画像

臍ヘルニアの検査

問診と診察、超音波検査(エコー検査)で容易に診断できますが、手術を行う場合はCT検査が必要になる事があります。

当院で行っている手術について ①

麻酔について

静脈麻酔(点滴薬による麻酔)により、患者様が眠っている間に手術が行われる状態にします。
不安や恐怖を感じないように意識を無くして眠ってもらい、手術中の記憶はなく手術の途中で麻酔が醒めることはありません。

手術方法について

① 弱くなった部分(臍部分)の皮膚切開

ヘルニア門(穴)の大きさに合わせて皮膚切開を行います。皮膚切開の長さの目安は、ヘルニア門の大きさ(直径)プラス1〜2cmです。ヘルニア門全体を露出させ、人工物を留置するスペースを確保します。

② 人工物(メッシュ)の留置

人工物(メッシュ)は、ヘルニア門の大きさや留置する部位により、数種類の中から選んで使用します。

補強材のメッシュ

当院で行っている手術について ②

麻酔について

手術は全身麻酔により、患者様が眠っている間に手術が行われる状態にします。
不安や恐怖を感じないように意識を無くして眠ってもらい、色々な方法で痛みを取り、反射で身体が動いたりして手術の妨げにならないようにします。手術中の記憶はなく、手術の途中で麻酔が醒めることはありません。

手術方法について

① 腹腔鏡の挿入

最初に5mmの皮膚切開を行い、腹腔内を観察するカメラ(腹腔鏡)を挿入します。ヘルニアの発生部位や大きさ、癒着の有無・程度などを確認し人工物(メッシュ)を留置すべき最適な部分を判断します。

② 弱くなった部分(臍部分)の皮膚切開

ヘルニア門(穴)の大きさに合わせて皮膚切開を行います。皮膚切開の長さの目安は、ヘルニア門の大きさ(直径)プラス1〜2cmです。ヘルニア門全体を露出させ、人工物を留置するスペースを確保します。

③ 人工物(メッシュ)の留置

腹腔内からの観察した様子などから、最適な部位に人工物(メッシュ)を留置します。人工物(メッシュ)は、ヘルニア門の大きさや留置する部位により、数種類の中から選んで使用します。

当院では、臍ヘルニアの状態を検査でしっかりと診断して、
患者様に合った最適な手術方法を選択します。

合併症について

1.臍ヘルニアの手術で、代表的な合併症について説明いたします。

皮下出血

術後の皮膚の下の出血により、キズの周囲の皮膚が紫色に変色することがあります。1ヶ月程度続きますが、特に治療は必要ありません。高齢の方や血液をサラサラにするお薬を内服している患者様に多い合併症です。

創部違和感・硬結

人工補強材が身体に馴染む間での期間(術後2〜6ヶ月間)、キズに違和感を感じることがありますが徐々に軽快してきます。また、キズが硬くなることがありますが、キズが治る過程の現象ですので心配ありません。

感染(創部感染・メッシュ感染)

手術創部(キズ)の感染は、どんなに予防してもすべての手術で起こる可能性がある合併症です。
軽症であれば、創部の処置(洗浄など)や内服薬・外用薬で軽快します。メッシュ感染を起した場合は、再手術が必要となる場合があります。喫煙者や糖尿病の患者様に多い術後合併症のひとつです。
臍は他の部位と比較して、感染をしやすい部分と言われています。

臍の変形

手術前と比較して、臍がくぼみ(臍窩)が浅くなったりします。

術後経過についての説明

術中・術後経過が順調な場合、術後30分程で離床ができます。その後問題がなければ、術後2時間程で退院が可能です。退院後は室内での日常の動きに制限はありませんが、気分不快や創部の痛みが生じたときは休憩を取るようにしてください。
術後の診察は、術後1週間目と2週間目の2回になります。

術後の経過観察について

当院では、術後半年後と1年後に受診して頂いております。診察や画像検査(エコー)により、入れたメッシュの状態の確認、再発の有無等を確認させて頂きます。

臍ヘルニア手術Q & A

自宅で創部(キズ)の処置は必要ですか?

ご自宅での創部の処置は必要ありません。創部は防水保護テープを使用します。テープ内部に多少の出血が生じることがありますが心配ありません。

術後は抜糸が必要ですか?

創部はナイロン糸(溶けない糸)で閉鎖しますので、術後に抜糸が必要です。抜糸後は、ご自宅で軟膏処置をお願いする場合がございます。

就労について?

デスクワークでしたら手術翌日から可能です。労働や長時間の運転業務等については、医師にご相談ください。

術後の運動は?

運動は術後1週間お待ち頂きます。

シャワー・入浴について?

シャワーは可能です。浴槽にお入りになるのはお控えください。入浴後は、創の周囲はこすらず乾燥したタオルで押さえるように水気を取ってください。

その他日常生活の注意点は?

手術翌日より日常の動きに制限はありません。
階段の昇降や散歩等も可能です。気分不快や創部の痛みが生じたときは休憩を取るようにしてください。
電車・バスなども乗車可能です。自転車・バイクは短時間であれば差し支えありませんし自動車の運転も可能です。食事は「腹六分目」くらいでお願いいたします。アルコールは当院からの処方薬を内服している間はお控えください。

日帰り手術の制約はありますか?

当院で日帰り手術をご希望の場合、以下の4つについてお願いしております。

  1. 手術当日はご家族等と一緒にお過ごしください。(特に高齢者や持病をお持ちの方)
  2. お帰りが車で約1時間以内
    理由:1時間を超えると、出血等の緊急事態に対応できなくなるためです。
  3. タクシーまたはご家族・ご友人の運転する車での帰宅
    理由:麻酔の影響で術後数時間後に、気分不快感やふらつき感が生じることがあります。
    それ自体は悪いことではありませんが、運転中の追突事故、ホーム・階段からの転落事故などへ繋がる可能性があるためです。また公共交通機関では、他人との接触など不可抗力による事故の可能性があるためです。
  4. シャワー・入浴の制限(上記参照)

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