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日帰り手術との出会い
日帰り手術とは
IAAS(国際日帰り手術学会)定義
日帰り手術は欧米では広く行われている手術の方法で、手術当日に来院し、手術を受け、麻酔が覚醒した後、問題なければ手術当日には帰宅するという診療形態です。
日帰り手術の国際的な学会である、IAASのハンドブックでは、日帰り手術は以下のように定義されています。
「日帰り手術(Day surgery)」、「外来手術(Ambulatory Surgery)」の定義は世界中で様々 である。外来手術(Ambulatory Surgery)の定義として IAASが推奨するのは「患者が手術治療した同日中に帰宅する手術(診察室等での小手術を除く)」である。
また、一泊の入院で手術治療できる患者もおり、このような患者については「外来手術‐回復室滞在患者(Ambulatory Surgery –Extended Recovery Patient)」という名称を我々は提案しており、その定義は「独立した、または病院に所属した日帰り手術センターで治療を受けた患者で、退院までに、一泊を含む短期滞在入院を要する患者。」としている。
特定の手術について、その日帰り手術率を各国間で比較する場合、我々が推奨した定義はあるものの、各国間で定義が異なりうることを認識することが重要である。国によっては、24時間未満の滞在を日帰り手術とするところもある。
日帰り手術の歴史
日帰り手術の歴史は、1900年代初頭にイギリスのグラスゴーおよびアメリカのアイオワ州で行われたのが最初です。 日帰り外科手術は新しいものではなく、1909年にはジェームズ・ニコルがグラスゴーの王立小児患者病院にて口唇裂、ヘルニア、湾足、乳様突起疾患などの疾患の日帰り外科手術を受けた約9000人の小児について報告している。
これは時代の先を行っていた優秀かつ熱心な人物 の取り組みであるが、日帰り外科手術が始まったばかりの当時においても、適切な自宅環境と家庭医との協力の重要性を彼は強調していた。
しかしながら術後の疼痛管理に疑問を持つ医師が多く、広く普及しませんでした。
その後1974年にアメリカで日帰り手術研究会(FASA:Federated Ambulatory Surgery Association)、1984年に日帰り麻酔研究会(SAMBA:Society for Ambulatory Anesthesia)が結成され、日帰り手術に適した手術手技や麻酔法、さらに術後管理などが研究・開発され日帰り手術の安全性が確立し、広く普及し始めました。
日帰り手術との出会い
私が日帰り手術に出会ったのは、カナダで開催された外科学会でした。
日帰り手術は当時日本では、我々外科医の間でもあまり知られていない分野でした。
プログラム(抄録集)を片手に発表会場を覗いてみると、座りきれないほど多くの聴講者がいて驚きました。
発表は外科医だけでなく、麻酔科医や看護師、事務スタッフ(医療クラーク)と多職種の方が演者を務めておりました。「まさにチーム医療!」、これが率直な感想でした。そして同時に「なぜ日本ではあまり普及していないのか?」という疑問も湧きました。
日帰り手術はなぜ日本では普及しないのか?帰国後、様々な立場やシチュエーションから考えてみました。
その答えは・・学会会場にあったのです。
日帰り手術を成功させる鍵は、外科医だけでなく麻酔科医や看護師、事務スタッフが握っていたのでした。
つまり、日帰り手術は外科医一人では成り立たず、医療スタッフ全員の知識と経験が必要なのです。
詳しくは、またの機会に・・・。
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日本ヘルニア学会で、演題発表・座長を務めました
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