BLOG

ブログ

2024年10月22日

鼠径部の痛み・腫れ

鼠径部の痛み・腫れ

鼠径ヘルニアかな?と、ご自身ネット情報などから受診される患者さまの中で、10人中8名ほどが鼠径ヘルニアです。その他は、鼠径部のリンパ節の腫脹であることが多いです。

鼠径部のリンパ節

リンパ節は、通常2~3mm程度の豆状の器官で、体内に入り込んだ細菌やウイルス、がん細胞などの異物をせき止めて排除する、いわゆる「関所」のような役割で、全身に300~600個ほど存在し外敵から体を守っています。このリンパ節は鼠径部にも存在し、「鼠径部が腫れている」という症状で受診し、鼠径ヘルニアではなくリンパ節が腫れている患者様は当院でも珍しくありません。

鼠径部のリンパ節が腫れる原因

鼠径部のリンパ節が腫れる原因は様々です。他の症状や経過にもよりますが、通常10mmまでは心配ないことが多いです。原因の頻度として多いのが下肢の外傷です(当院調べ)。鼠径部のリンパ節が腫れる以前に、「膝を擦りむいた」、「靴擦れを起こした」などに起因し、細菌に感染することでリンパ節が反応するものです。そのような場合は感染が治れば自然に小さくなります。

気をつけたいこと

その他、鼠径部のリンパ節が腫れる原因として最近増加しているのが「梅毒」です。梅毒は性感染症の一種で、非常に感染力が強く全国的に感染者数が増加しています。梅毒によるリンパ節の腫れは感染から3週間以降に生じることが多く、痛みを伴わないことが特徴です。当院でも血液検査の結果で梅毒の患者さまが数名いました。梅毒の説明をすると、驚かれたり怪訝そうな表情をする方がいらっしゃいますが、「私は関係ない」と決めつけず、少しでも不安な時は血液検査を行うことをおすすめします。

今回は、鼠径ヘルニアと間違えやすい鼠径部リンパ節の、腫れについてお伝えいたしました。何れにせよ、早期に治療を開始することが大切になります。

横浜みなと外科クリニックは、外来日帰り手術専門のクリニックです。鼠径部ヘルニアの日帰り手術を中心に専門的取り組んでおります。お気軽にお問い合わせください。

 

横浜みなと外科クリニック 院長 川崎篤史

関連記事

臍ヘルニアの治療方針
「臍ヘルニア」今後の治療について、一般的な情報と選択肢をご説明します。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、最終的な治療方針は、患者さまの状態や医師の判断によって異なります。必ず医師とよく相談し、…
鼠径ヘルニア(1)初期症状
鼠径ヘルニアは、年間15万件ほどの手術が行われている良性の疾患です。別名『脱腸』と呼ばれたりします。 鼠径部は、鼠(ねずみ)と径(こみち)という漢字から成り立っており、鼠径部には鼠径管という管状の組…
日帰り手術⑤〜鼠径ヘルニアの日帰り外来手術〜
鼠径ヘルニアの日帰り手術とは・・・③ 鼠径(そけい)ヘルニアとは? 桜の季節になりました。各地で満開の便りが届いております。さて、前回の続きで日帰り手術の数が多い鼠径ヘルニアについてお伝えします。…
もう入院は不要?鼠径ヘルニアの日帰り手術
【鼠径ヘルニア】もう入院は不要?日帰り手術のメリット・デメリットを徹底解説 「足の付け根に、ぽっこりとした膨らみがある」「力を入れると何かが飛び出す感じがする」 このような症状に心当たりはありません…
鼠径ヘルニアの手術について
鼠径ヘルニアの手術について、最終的に手術を受けるかどうかは「本人の希望があれば」とお伝えしています。それには、主に以下の理由があります。 緊急性の低い良性疾患であるため: 鼠径ヘルニアは、が…
ネットでのご予約
ページトップへ
ネット予約
お電話

お問合せ