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鼠径部の痛み・腫れ
鼠径部の痛み・腫れ
鼠径ヘルニアかな?と、ご自身ネット情報などから受診される患者さまの中で、10人中8名ほどが鼠径ヘルニアです。その他は、鼠径部のリンパ節の腫脹であることが多いです。
鼠径部のリンパ節
リンパ節は、通常2~3mm程度の豆状の器官で、体内に入り込んだ細菌やウイルス、がん細胞などの異物をせき止めて排除する、いわゆる「関所」のような役割で、全身に300~600個ほど存在し外敵から体を守っています。このリンパ節は鼠径部にも存在し、「鼠径部が腫れている」という症状で受診し、鼠径ヘルニアではなくリンパ節が腫れている患者様は当院でも珍しくありません。
鼠径部のリンパ節が腫れる原因
鼠径部のリンパ節が腫れる原因は様々です。他の症状や経過にもよりますが、通常10mmまでは心配ないことが多いです。原因の頻度として多いのが下肢の外傷です(当院調べ)。鼠径部のリンパ節が腫れる以前に、「膝を擦りむいた」、「靴擦れを起こした」などに起因し、細菌に感染することでリンパ節が反応するものです。そのような場合は感染が治れば自然に小さくなります。
気をつけたいこと
その他、鼠径部のリンパ節が腫れる原因として最近増加しているのが「梅毒」です。梅毒は性感染症の一種で、非常に感染力が強く全国的に感染者数が増加しています。梅毒によるリンパ節の腫れは感染から3週間以降に生じることが多く、痛みを伴わないことが特徴です。当院でも血液検査の結果で梅毒の患者さまが数名いました。梅毒の説明をすると、驚かれたり怪訝そうな表情をする方がいらっしゃいますが、「私は関係ない」と決めつけず、少しでも不安な時は血液検査を行うことをおすすめします。
今回は、鼠径ヘルニアと間違えやすい鼠径部リンパ節の、腫れについてお伝えいたしました。何れにせよ、早期に治療を開始することが大切になります。
横浜みなと外科クリニックは、外来日帰り手術専門のクリニックです。鼠径部ヘルニアの日帰り手術を中心に専門的取り組んでおります。お気軽にお問い合わせください。
横浜みなと外科クリニック 院長 川崎篤史
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